黒手紙

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「ただいまー」   返事はない。どうやら誰もいないようだ。   リビングに荷物を放り、然る後、癒しの場へ向かう。   寒い。   脱衣所で制服を脱ぎ散らかし、戸を開ければそこは俺の一番の場所。   すぐにシャワーから適温の湯を出し、そして体を温めた。   気持ち良い。うっとりするくらい。   それなのに。   何故か、心のどこかがまだ曇っている。   なんだろ……   シャワーを止め、湯船の蓋を開けた。   しかし、そこには何もなかった。虚無。   湯、入れるの忘れてた。
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