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俺は納豆彰スペシャルバージョン(納豆に卵、醤油、鰹節、ネギをかけたもの)を美味しく頬張りながら、目の前では紗英が不機嫌そうにソファに座ってテレビを見ながら、無言で時間は流れていた。
「紗英、お前、俺に呪いの手紙とか送った?」
「昔から何通も送ろうと試みてきたけど、ダメね。全部失敗したわ」
「そっか。そりゃ良かった」
紗英じゃない。
いや、いくら沙英が鬼だからと言っても、そんな陰湿なことをするような奴じゃないことはわかってる。
そもそも何故、沙英がここにいるのかわからないが、昔からよくあることだ。
「お腹いっぱい。ごちそうさま」
「納豆臭っ」
母さんに殺される前に食器を片付け、洗濯物を取り入れた俺はテレビを見た。
「てゆーか仕事終わったの?まだ俺だって帰ってきてからそんなに時間経ってないのに」
「大人の事情」
何を聞いてもすぐこれだ。
小さいころ、紗英に月が浮かんでいる理由を聞いたときも大人の事情なのだと答えられた。
幼くてピュアな俺は必死に考えたもんだ。
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