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何だ?この感じ。
大森なんて、別に仲良くなかったじゃないか。
なのに、この喪失感。同時に込み上げてくる焦燥。
「死んだって、何で?」
「知らねぇよ!外傷も見当たらないし、体は至って正常らしい。なのに、心臓だけがまるで機能してないんだって……」
何だよそれ。
「人形みたいに、綺麗な死体だって。とにかく俺はもう少し事情を探ってみるよ。お前はじっとしてろ。いいな」
俺は、竜の言葉にただ頷くしかなかった。
もっとも、電話だったから伝わるはずは無いのだけれど。
クラスメイトって関係があるだけで、こんなにも"死"が異質で冷たくて奇妙なものになるなんて思ってもみなかった。
挨拶も交わしたことのないようなクラスメイトなのに。
そういえば、紗英はこのことを知っているのだろうか。
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