💠花火💠

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今年もまた夏が来たね 祭りで賑わう雑踏から 少し離れた 二人だけの秘密の場所 夜空に次々と咲く 花火を背にして そっと口付け交わした夜を 君もまだ覚えてる? 初めて見る君の浴衣姿に 心奪われたあの日から もう一年が経ったよ 「来年も一緒に見ようね」 って約束果たすために 僕は今日ここへ来たんだ あの日二人でした線香花火 最後の灯(ひ)が消える その瞬間(とき)まで 輝き続けた君の笑顔 それから数日後 君の笑顔は 花火のように 夜空に溶けていった あれからもう一年が経ったよ 去年君が居た僕の隣は 風が吹き抜けるけれど 君に捧げる為に 持ってきた花束に そっと口付け交わした瞬間 今年もまた夜空に咲いた 大きな花火に 君の笑顔を見つけた
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