近藤勇

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「・・当たりだ・・・」 近藤が呟く。 その言葉を聞き一人の隊士が走って池田屋を後にする。土方達に知らせるためだ。 「御用改めである!歯向かう者は容赦なく切り捨てる!」 池田屋に近藤の声が響く。ふすまの向こうから数人の浪士が現れる。 抜刀時に出る独特の音がいくつもなり響く。 向こうも、そして新選組も「やる気」である。 「うらあっ!」 浪士が動く。 池田屋が一瞬にして戦場になった。 一階と二階、あらゆる場所で斬り合いが起きている。 血は流れ、床に滴り落ちる。本来であれば捕縛をするところであるが、この状況でそんな事は言ってられない。 「近藤さん、遅くなった!」 知らせを聞いた土方組がやってきた。 「新選組め・・」 宿の奥にはまだ多数の浪士が・・。 宮部の他に、望月、吉田といった人物もいた。彼らも浪士達の間では名の知れる人物であり、宮部同様、新選組にもその名は知れわたっていた。 宮部達の部屋ふすまが開き、そこから新選組隊士が攻めてくる。 「・・・・近藤っ!」 刀を構える一同。双方の中心には、近藤と宮部がいた。
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