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第十一章
ア「お願い…起きて蒼我」
蒼「スゥ…スゥ…」
私が目を覚ましたのはつい今し方の事だった。見慣れない部屋に蒼我と同じベッドで寝ていた。とりあえず私は蒼我が心配だったから蒼我を起こそうとした。
ア「蒼我…?蒼我?」
蒼「スゥ…スゥ…」
ア「ねぇ、蒼我!」
蒼「ア…ウロ…。」
ア「蒼我!」
蒼「弱くて…ごめん。頼り…なくてごめん。俺…強くなるから」
どうやら寝言だったみたいで蒼我はまた眠ってしまった。でも、蒼我は泣いていた。
ア「蒼我は頑張らなくて良いよ。一緒に旅してくれればそれで良いよ。」
私も泣いてしまった…蒼我が辛い理由が私だから、苦しめてしまっている自分が許せないから…ふと蒼我の首筋を見ると痣のような物があった
ア「ここも…怪我したのかな」
よく見るとその痣のような物は文字になっていた。
ア「ヘパイストス……確か、火山と鍛冶の神…炎を律しその剛腕は重たい金槌を幾度も振り下ろせる。蒼我ぁ…大丈夫だよ貴方は強くなってる」
私は思わず寝ている蒼我を泣きながら抱き締めた…起きたら教えて上げよう。ちゃんと強くなってる事を…
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