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午前二時。あたりは闇に包まれ道を照らす街灯も存在しない。空は快晴。いくつもに散りばめられたガラス片が空で輝き、一つの大きなライト(月)が下界を照らしている。 耳に届くは小波。規則的に波打つ海面は黒く、それが不規則に白く輝いている。 あたりにはえるは、いくつもの倉庫と何台かの大型の船。 そう、ここは「草加港」(くさかこう)。日中は諸外国から様々な物資が入り乱れ、そして、ここから左右都市(そうとし)に運ばれていく。 さて、その港の外観に決して相容れない風貌をした黒光りの車が何台か入っていく。乗っている人間の見た目は、どこかの中級極道映画に出てきそうな格好と風貌をした男たち。 それらは、倉庫街の中心の五番倉庫に入っていった。 そして、その様子を遠くから眺めていた一人の人影。時期は夏。いかに海辺とはいえ、今の気温、湿度は決して快適とはいえない。しかし、その人影は長ズボンに、フード付きの長袖のパーカーを羽織り、そのフードを頭にかけている。その人影は、港に入港した車が全て倉庫の中に入るのを確認すると、そのまま十階建てのビルの上から飛び降りた。
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