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付き合い出して、三ヶ月。
それから、私は松君の事を『祐ちゃん』と、呼ぶようになっていた。
祐ちゃんは、私の事を『操』と、呼び捨てで呼んでくれている。
これで、カップルらしくなったかな…。
職場では、週4日一緒に働き、帰宅途中カフェでお茶と話しをして帰る。
よく考えたら、あの公園以来デートらしいデートをしていない。
最初の頃は、それで満足していた。
だけど、次第に不安感が押し寄せてくる。
仕事以外で、接触しない私達。
休みの日は、何をしているのか考えた事もなくて。
それを考えたら、そればっかり考えてしまう。
メールは、毎日しているし、返事も途切れる事もない。
だけど、一度不安になってしまったら、ダメみたいで。
人を好きになると、こんなに不安になるものなんだね。
初めての気持ち。
人を疑う事は嫌い。
だけど、祐ちゃんは別。
好きだから、不安になる。
好きだから、心配。
今日は、お休み。
私は、祐ちゃんに何をしているのかメールを送った。
そしたら『部屋でCDを聞いている』と返事が来た。
普通だったら、疑いもしない。
だけど、今回は違う。不安で仕方ない。
私は、祐ちゃんに電話をしてみる事にした。
~プルルル~
呼び出し音が、耳元で鳴り響く。
《もしも~し…どうした?》
祐ちゃんの声が、聞こえて来た。
<うん…祐ちゃんの声が聞きたくなって…>
少し、緊張する。
《そっか…》
祐ちゃんのバックでは、洋楽らしいメロディーが流れていた。
本当に、部屋でCDを聞いていたみたい。
少しでも疑った自分が、嫌になった。
<ねぇ…今から会えないかな?>
私は、祐ちゃんに会いたかった。
声を聞くだけじゃ、満足出来なかった。
裕ちゃんの、顔が見たくなった。
《いいよ♪どこで会う?》
即答する祐ちゃん。
私は、自然と顔が緩んだ。
<じゃあ、今日はこの間行った公園の横に茶店があったよね?>
《あったあった♪あそこにする?》
<うん♪じゃあ着替えて行くから♪>
私は、着替えて約束の公園前で、祐ちゃんを待った。
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