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私が公園入り口に着いて、数分後、祐ちゃんが歩いて来てくれた。
「お待たせ♪」
いつもの、明るい笑顔。
それを見れただけで、満足だった。
「うん♪自転車で来なかったんだね?」
「チャリは弟に貸してるから歩いて来たよ…」
「そっかぁ~♪」
「じゃあ…行こうか」
二人は、公園横の茶店に入り、甘味を頼んだ。
「今日はどうした?」
座るなり、祐ちゃんに尋ねられた。
「どうって…祐ちゃんに会いたくなったから…」
私は、素直な気持ちを伝えた。
「仕事場で会ってるのに?」
この言葉を聞いた私は、少し落ち着いた感じて「……祐ちゃん?」と、呼びかけた。
「な~に?」
「私と祐ちゃんって恋人だよね?」
「恋人だよ…」
「祐ちゃんは、仕事場以外で私に会いたくなる時はないの?」
「そりゃあるけど…」
「じゃあなんで誘ってくれないの?」
「仕事場で会えるし、帰る時にデート出来るし…俺はそれで満足してる」
「…私…不安なの…」
思っている事を、伝える事にした。
「何が不安?」
「仕事休みの時に誰かと会ってたりしてるんじゃないかって…」
私は、俯いた。
「会ってるって…?」
聞き返して来た。
「私以外の女の人と…」
俯いたまま、返事をした。
「…それって俺が二股かけてるかもって意味?」
「二股じゃなくて…他に好きな人がいるのかな?とか…」
「二股と同じだよ…ソレ…」
「…………」
私は、次の言葉が出ない。
「俺の事、信じれない?」
辛そうに、淋しそうに聞こえてくる祐ちゃんの声…。
「…信じてる…」
「じゃあ信じてよ…。操以外に好きな奴なんていないから…」
「だけど…不安なんだもん…」
「顔を上げてくれないかな?下向いたままじゃ操の顔が見れないよ」
「……………」
今にも零れ落ちそうな、涙を瞳に溜めて顔を上げた。
「泣いてるの?」
祐ちゃんはそう言うと、私の横に座ってくれた。
「…涙が出て来た」
私は、顔を下に向けた。
途端に、瞳から涙がポロポロと零れ落ちた。
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