第五章

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「はぁ…。」 「溜め息ばっかついてると幸せ逃げるよ。」 「なんだ優花か。」 「なんだとは何よー。心配してるんだから。」 「ああ…ありがとう。でも大丈夫だから。」 「本当に?私お兄ちゃんが心配で心配で。」 「ごめんな心配かけて。でも大丈夫だから。気にすんな。」 そう言って俺は優花の頭をポンとたたいて部屋を出た。 もちろん部屋を出たところで何か変わるわけではなかった。 距離を空けたところで仲直りできるわけではなかった。 『別れるべきなのか…もう俺たちは終わりなのか…』 どうすればいいかわからず日にちだけが過ぎていく。 あんなに好きあってたのに…。 今はもう逢いたいとは思わない。顔を見るのが辛い。 でも…俺は香織のことが好き。その気持ちだけは変わらない…はずだった。 ある日香織から電話がかかってきて呼び出された。
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