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「はぁ…。」
「溜め息ばっかついてると幸せ逃げるよ。」
「なんだ優花か。」
「なんだとは何よー。心配してるんだから。」
「ああ…ありがとう。でも大丈夫だから。」
「本当に?私お兄ちゃんが心配で心配で。」
「ごめんな心配かけて。でも大丈夫だから。気にすんな。」
そう言って俺は優花の頭をポンとたたいて部屋を出た。
もちろん部屋を出たところで何か変わるわけではなかった。
距離を空けたところで仲直りできるわけではなかった。
『別れるべきなのか…もう俺たちは終わりなのか…』
どうすればいいかわからず日にちだけが過ぎていく。
あんなに好きあってたのに…。
今はもう逢いたいとは思わない。顔を見るのが辛い。
でも…俺は香織のことが好き。その気持ちだけは変わらない…はずだった。
ある日香織から電話がかかってきて呼び出された。
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