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「お父さん,すぐに戻るって言ったのに…。」
もう朝になった。
あれからずっと,ローズはその場を動かずに父親を待っていた。
いつまで待っても父親は帰ってこない。
父親を探しに行こうとも思ったが,真っ暗な森は見るのも恐ろしく,動けば父親にもう会えないような気がして,ローズは泣きながら一夜をその場でじっと過ごしたのである。
そんなローズに朝日がそそぎ,ローズは顔を上げた。
明るい森は,夜ほど怖くない。
お父さんはわたしを探して迷っているのかもしれない。
このまま待っているだけではなくて,わたしもお父さんを探そう。
ローズは涙を拭って立ち上がり,駆け出した。
父親の背中が小さくなっていった,あの方向に向かって…。
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