‡第一部‡ 出逢い

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とん と、何かが光志郎の肩の上に乗ったのと、耳元で“ヒュッ”という風を斬るような音が聞こえたのは、ほぼ同時だった。 何かと思って光志郎が首を曲げようとした動作は、 「動くな」 という少女の声によって無効となる。 な、なんだぁ…!? 光志郎はその声の主を確認しようと、横目でそっと見てみる。 それは、全高が15cm程の、女の子の姿をした人形だった。 否、人形の形をしたロボットだった。 黄金(こがね)色の髪をツインテールに結び、その身体には黒いマントを羽織っている。 そしてどうやら、自分の頸元(くびもと)に何やら凶器らしき物を突きつけられているらしいのだが、これ以上動くと本気で攻撃されそうだ。 君は一体…? と声を掛けるより速く、その機械の少女が口を開いた。 「じっとしていれば君に危害は加えない。だから大人しくここから立ち去って」 …うん、ここから立ち去りたいのは山々だ。 しかし君の言葉はかなり矛盾している。 身動きしないでどうやって立ち去れと? それにここは俺の家じゃないか…! 光志郎は混乱した。 今日で二度目の混乱だった。
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