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今や窓枠しか残っていない窓際に、もう一人の招かれざる客人が立っていたのである。
正確には“人”では無い。先程からこの部屋にいる少女と同じ、人の形をした小さなロボットだった。
同じ…そう、ただ一つ、決定的な相違点を除いては。
単発に切り揃えた薄紫の髪を持つ頭部には、モノクロ型のヘッドギアが装着されており、身体は首からつま先までパワードスーツの様なもので覆われている。
そして何より特徴的なのは、その右手にはハンドガンが、左手には伸縮タイプの長剣が握られている事である。
今の状況が全く把握出来ていない光志郎にもこれだけは分かった。
つまり彼女は“戦闘用”なのである。
しかし事態は待ってはくれない。
黒い少女は光志郎を視認するや否や、手に持ったハンドガンの銃口を彼に向けると、まるで罪人に問い詰めるように言葉を口にした。
「一つ聞こう、人間。お前はそのMMS(そいつ)の契約者(マスター)か?」
「マスター…?何の事だよ…頼む、もっと分かるように説明してくれ…!」
しかし彼女は説明などしてくれる筈もなかった。ただ面倒くさいと言わんばかりに言葉を続ける。![image=81067042.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/81067042.jpg?width=800&format=jpg)
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