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「ふん、あくまで白を切るつもりか。
…まぁいい。そいつと関わったのだ、どの道徒では済まさんぞ?人間」
…もしもーし?ちょっと強引過ぎやしませんか?
最早、光志郎に逃げ道は無かった。
そして黒い少女は、銃口を光志郎に向けたまま引き金を引いた。
それはどうやらオートマチックらしく、
パララララ…
と弾丸が吐き出される音がする。
―しかし意外にも―光志郎は無傷だった。それはハンドガンがオモチャだったから、という訳では決して無い(サイズは超小型ながら、その威力は実物と変わりないからだ)。
引き金が引かれる直前、ツインテ―ルの少女が光志郎の前に躍り出ていた。そしてその手に持った錫杖(しゃくじょう)状の武器を器用にクルクルと回して、光志郎への着弾を防いでいたのである。
軌道を逸れた弾丸は部屋中に飛び散り、花瓶を粉砕し、壁の所々を砕いた。
困惑している光志郎をよそに、黒い少女は「面白い」というような表情を作り出す。
「やはり“エヴォルト”には飛道具は通じない、か。ならば…」
そう言うと、彼女は片方の手に持った剣を展開させ、ツインテールの少女に飛び掛かった。
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