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二人の少女は激しく切り結び、金属同士のぶつかる音が部屋中を木霊した。
その頃、またもや命拾いをしたテレビの画面からは神姫のCMが流れており、そして皮肉にも
“絶対安全!完全制御チップにより、人に危害を加える様なことはなんと0パーセント!”
というテロップが映し出されている。
状況はツインテールの少女が圧倒的に不利のようだった。
先ほどから攻撃という攻撃は一切行わず、ただひたすら回避運動に専念するのみである。
「どうした“エヴォルト”、“ハルバード・システム”は使わんのか?」
黒の少女が挑発するように問い掛ける。
とその時、黒の少女の一撃で、ツインテールの少女が吹き飛んだ。
しかしそれは攻撃を受けて吹き飛んだ、という訳では無かった。つまり自分自らその場を離脱したという事である。それも光志郎の元へと。
突如自分目掛けて飛来してきた少女を、光志郎はとっさに受け止めようとする。
そして見事キャッチ。
…するも、少女は再び立ち上がって戦闘続行、という素振りは見せなかった。おまけに瞼(まぶた)まで瞑っている。
死んだ…いや、壊れた…のか?
光志郎はそっと、手の中に収まっている少女を覗き込んだ。
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