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「もう…あの日と同じようには、させない」
彼女はそう呟くと、カッと目を見開き光志郎を見上げた。先程までとは目つきが…違う!
それは、何かを諦めたかのような、もしくは決意したような、そんな眼だった。
「君の名は?」
「え…あ…雨宮…光志郎」
全く予想外な彼女の言葉に光志郎は戸惑いながらも、反射的に名前を名乗ってしまった。
「アマミヤ コウシロウ」
《システムを初期化します。データベースに異常無し。ハーモニクス正常値…………
…………オーナー“アマミヤ コウシロウ”登録完了…》
ツインテールの少女を“吹き飛ばした”と錯覚した黒い少女は、彼女にトドメを刺さんとばかりに突進してきた。
ツインテールの少女は言葉を続ける。
「システム開放。ハルバード・システム、リミッター解除」
そして彼女は光志郎の手の中から勢い良く飛び出すと、彼を振り返り凛とした表情でこう言った。
「これよりこの力は貴方だけの為に、そして貴方だけを守る…マスター“コウシロウ”」
それが雨宮 光志郎と武装神姫との、ファーストコンタクトであった。
そして、今日は彼の19歳の誕生日だった。
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