‡第一部‡ 出逢い

12/12

161人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ
「もう…あの日と同じようには、させない」 彼女はそう呟くと、カッと目を見開き光志郎を見上げた。先程までとは目つきが…違う! それは、何かを諦めたかのような、もしくは決意したような、そんな眼だった。 「君の名は?」 「え…あ…雨宮…光志郎」 全く予想外な彼女の言葉に光志郎は戸惑いながらも、反射的に名前を名乗ってしまった。 「アマミヤ コウシロウ」 《システムを初期化します。データベースに異常無し。ハーモニクス正常値………… …………オーナー“アマミヤ コウシロウ”登録完了…》 ツインテールの少女を“吹き飛ばした”と錯覚した黒い少女は、彼女にトドメを刺さんとばかりに突進してきた。 ツインテールの少女は言葉を続ける。 「システム開放。ハルバード・システム、リミッター解除」 そして彼女は光志郎の手の中から勢い良く飛び出すと、彼を振り返り凛とした表情でこう言った。 「これよりこの力は貴方だけの為に、そして貴方だけを守る…マスター“コウシロウ”」 それが雨宮 光志郎と武装神姫との、ファーストコンタクトであった。 そして、今日は彼の19歳の誕生日だった。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

161人が本棚に入れています
本棚に追加