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今し方、黒い少女が立っていた窓際を一人眺めていた光志郎は、再び静かになった部屋の中を見渡す。
これってもう安全なんだよな…?
彼はそう思うや、ひとまず深呼吸を始めた。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
「で?お前はあいつを追わなくてもいいのかよ」
こくっ、と彼女は頷いた。てっきり後を追うのかと思っていた光志郎は、彼女にそう聞いたのである。
「私は元々追われていた身。そのような行為は我が身を危険に晒します」
「ふうん。
ま、いいか…兎に角まず状況説明を頼むよ。
お前は誰?さっきの黒いヤツは?何で此処へ来たんだ?マスターって何だ?」
このツインテールの少女は神姫。
そして同じ神姫である、あの黒い少女に追われてこの家に辿り着いたらしい。
「何故追われたのかは分かりません。私のメモリーチップが過去に大きく破損した為、記録が全てリセットされているのです。だから自分が何者なのかさえも………。
ただ分かることは…初期プログラミングの際に表示された“始祖神姫を探せ”というメッセージと、この“ハルバード”の扱い方だけ…」
彼女は手に持った武器をギュッと握り締めた。
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