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「まてよ…“追われた”って言うけど、何で逃げる必要があったんだ?さっきみたいにパパっとやっつけちゃえば…」
と、光志郎は当然の疑問に行き当たる。
現にこの少女は先ほど、あの黒い少女に対して圧倒的な強さを見せたのだ。なら仮に追われたとしてもその場で撃退出来た筈だ。
「この…ハルバードは、オーナーを定めて初めて起動出来るんです。ですが…」
今までオーナーがいなかった。
否、“オーナーを定めるようにプログラムされていなかった”。
「だから私はメッセージに従い、独りで“始祖神姫”を探す旅をしていました」
光志郎は、理解したような理解していないような(恐らく後者)曖昧な表情になりながら、質問を続ける。
「そうなのか…でも何で俺なんかをオーナーに?
えっと、さっきお前が言ってたマスターってつまり…俺はお前のマスター…オーナーになった、ということなんだろ?」
「あれは緊急手段です」
光志郎はその場に顔面からズッコケた。
別にそこだけスラッと言わなくても…。
しかし言われてみれば確かにそうである。
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