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「あのさ、名前を教えてくれないか?さっきあの黒いヤツがお前の事を“エヴォルト”って呼んでたけど」
光志郎の問いかけに、ツインテールの少女は少し恥ずかしさも交えた様な声で答えた。
「名前は…ありません。“エヴォルト”は、あの子たちが私の事をそう呼んでいるだけ」
「だったら我々で名付ければいいじゃないか!それもオーナーとして、マスターとしての役目だしな。
ふむ…光志郎、確かお前の大好きな『無法少女』にこんなキャラがいたよな。
だったらこの子の名前はフェイ…」
「あ、あのさっ!“ヴォイジャー”なんてどうかな!ほ、ほら…何かを探して旅をしてたんだろ?
全然女の子っぽくないけどさっ!」
アキラが言い終わる前に光志郎が割り込んだ。
あ、危なかった…とんでもない名前を付けようとしていたんだ、このアキラは…。
光志郎はそう思いながらツインテールの少女を見る。
「ヴォイジャー、お前の名前なんだけど…どうかな?」
「私の…名前…」
ありがとう…ございます。
ツインテールの少女は、突然与えられた自分の名前に戸惑いながらも、照れたようにそう呟いた。
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