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「あ、ところでアキラ。さっきからお前の持ってるそれ、かなり気になるんだけど」
光志郎は、アキラが先程からずっと脇に抱えている紙袋(どうやら箱が入っているらしい)を指差した。
「気付いたか。
ふふ、こいつを自慢するつもりが、すっかりお前のパートナーに気を取られてしまったよ。ま、今から見せてやるさ」
アキラはそう言うなり、紙袋から中の箱を取り出した。
それは犬型の武装神姫だった。
「騎士型を手に入れるつもりだったが、どうやら暫く入荷しそうになかったのでな。仕方なくこの『ハウリン』を買ってみた、という訳だ」
しかしアキラは“仕方なく”という様な顔はしていない。むしろ楽しそうである。
「これが通常の神姫というものだぜ」
そう言いながら、説明書に従いコアユニットとCSCを手際よく接続していく。
「このCSCの選び方によって神姫のパーソナルが決まるらしい。
…と、これで良いみたいだな」
アキラは組上がった素体をテーブルの上に寝かせた。
暫くすると、その素体の瞼が
ぱちっ
と開いた。
全員が一斉に覗き込む。
そしてハウリンの第一声。
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