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黒衣は言葉を続ける。
「ご覧のように“エヴォルト”の戦闘能力は我々の予想を遥かに上回るものです。早急に回収、あるいは最悪の場合破壊を行わなければ、いずれ我々の脅威となります」
会議室内にざわめきが広がった。頷く者、笑う者、様々である。
「そんなに言う程のものかね?それは君のパートナーが弱かっただけの事ではないのかな」
そんな声もあった。
「くっ…」
黒衣にとってそれは屈辱だった。
ストラーフ部隊の中でも特に優秀な“02”(彼は彼女を“クー”という名で呼んでいる)なだけに余計にである。
そこで議長が口を開いた。
「黒衣君の言う事も分かるが、君の“02”でも敵わなかった目標なのだ。今は現状維持が得策だろう。
それに、逆に利用するという手もある。中央区(セントラル)で近々大規模な大会(いくさ)が催されるそうだ」
隣で待機していた秘書が大会の資料を配り始める。
「この大会で、彼らを我々の計画の一部に組み込む、という事でよろしいですかな」
全員が
「異議なし」
と唱えた。![image=129808220.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/129808220.jpg?width=800&format=jpg)
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