廻り始めた運命という名の歯車(前編)

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「あ、ところでさアキラ、その子に名前を付けてやらなくていいのか?」 光志郎はハウリンを指差して言った。 アキラは、完全に忘れていたという顔をする。 「名前、か…。 そうだな…ふむ、“ポチ”なんてのはどうだ?」 その場に永遠かと思われる間の静寂が訪れた。 いや、アキラ本人はかなり真面目だったのだが。 「あの…女の子なんだしもう少し可愛い名前にしませんか?“たま”とか」 その静寂を終わらせたのは美波だった。 …って、猫じゃねーし! 光志郎は心の中でツッコミを入れる。 「“フェンリル”ってのはどうかな?とある神話に出てくる狼の名だけど」 「あ、可愛いですね」 「おお!格好いいではないか!流石は光志郎といったところだな。 うむ、という訳でお前の名前は“フェンリル”だ、よろしくな」 お前にピッタリだろ? と、アキラはハウリンに向かって言った。 彼女はぺこりと頷く。 ‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ 「…む、もうこんな時間か。じゃあ俺はそろそろお暇しようかな」 アキラが時計とにらめっこをした。image=129808346.jpg
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