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「あ、ところでさアキラ、その子に名前を付けてやらなくていいのか?」
光志郎はハウリンを指差して言った。
アキラは、完全に忘れていたという顔をする。
「名前、か…。
そうだな…ふむ、“ポチ”なんてのはどうだ?」
その場に永遠かと思われる間の静寂が訪れた。
いや、アキラ本人はかなり真面目だったのだが。
「あの…女の子なんだしもう少し可愛い名前にしませんか?“たま”とか」
その静寂を終わらせたのは美波だった。
…って、猫じゃねーし!
光志郎は心の中でツッコミを入れる。
「“フェンリル”ってのはどうかな?とある神話に出てくる狼の名だけど」
「あ、可愛いですね」
「おお!格好いいではないか!流石は光志郎といったところだな。
うむ、という訳でお前の名前は“フェンリル”だ、よろしくな」
お前にピッタリだろ?
と、アキラはハウリンに向かって言った。
彼女はぺこりと頷く。
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「…む、もうこんな時間か。じゃあ俺はそろそろお暇しようかな」
アキラが時計とにらめっこをした。
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