廻り始めた運命という名の歯車(前編)

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「私は賛成です、コウシロウ。これから何をするのにも必ず神姫同士の戦闘が付きまとう、だから今の内に経験値を積んでおいても良いと思います」 「でも俺、お前を上手く戦わせてやることなんて…」 「攻撃許可命令さえ言ってくれれば、あとは私の意志と判断で戦えます」 光志郎の弱気な意見はヴォイジャーには通じなかった。 (にしてもどこか屈辱的なんだけど…) 彼はそう心で呟く。 「よし、決まりだな。時間は追って連絡する」 帰るぞ、とアキラはフェンリルに手を差し伸べる。 ‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ 「はぁ…とんだドタバタ誕生日になったもんだよ」 「あら、何だか素敵じゃないですか」 アキラが帰宅した後、光志郎と美波が一緒に夕食を済ませた直後の会話である。 「あ、光志郎兄さん」 と、美波がふと思い出した様に、しかしどこかわざとらしい感じで手をポンと叩くと、立ち上がって玄関とリビングを一往復した。 戻ってきた彼女の手には、何やら大きな物体が入った袋が握られている。 「うふふ、はい。誕生日おめでとうございます」 そう言うとそれを光志郎に差し出した。 「あ、ありがとう…」 彼は少し戸惑いながらもそれを開けてみる。
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