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「私は賛成です、コウシロウ。これから何をするのにも必ず神姫同士の戦闘が付きまとう、だから今の内に経験値を積んでおいても良いと思います」
「でも俺、お前を上手く戦わせてやることなんて…」
「攻撃許可命令さえ言ってくれれば、あとは私の意志と判断で戦えます」
光志郎の弱気な意見はヴォイジャーには通じなかった。
(にしてもどこか屈辱的なんだけど…)
彼はそう心で呟く。
「よし、決まりだな。時間は追って連絡する」
帰るぞ、とアキラはフェンリルに手を差し伸べる。
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「はぁ…とんだドタバタ誕生日になったもんだよ」
「あら、何だか素敵じゃないですか」
アキラが帰宅した後、光志郎と美波が一緒に夕食を済ませた直後の会話である。
「あ、光志郎兄さん」
と、美波がふと思い出した様に、しかしどこかわざとらしい感じで手をポンと叩くと、立ち上がって玄関とリビングを一往復した。
戻ってきた彼女の手には、何やら大きな物体が入った袋が握られている。
「うふふ、はい。誕生日おめでとうございます」
そう言うとそれを光志郎に差し出した。
「あ、ありがとう…」
彼は少し戸惑いながらもそれを開けてみる。
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