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「………!
これは……いいのか美波、安くは…なかっただろ?」
それは銀色のノートパソコンだった。
光志郎も、まさか自分の誕生日に隣人の女の子からこんな物をプレゼントされるとは思ってもみなかった。
「そんなに高いものじゃないです、ちょっと型が古いから…」
少し照れながら美波は「光志郎兄さん、ずっとパソコンが欲しいって…そう言ってましたよね」
と付け加える。
「ありがとう…凄く嬉しいよ!」
「光志郎兄さん…」
場合によってはその雰囲気から素敵な誕生日の夜へと進展したのかもしれない。しかしそれはただの可能性であって、その可能性を見事にぶち壊したのは、彼らの側にいた小さな少女だった。
いつの間にかヴォイジャーはそのノートパソコンを立ち上げ、何やらキーを打ち始めた。
ディスプレイには意味不明な文字が羅列している。
「ヴ、ヴォイジャー!まだ下準備もしてないのに何をして…」
「大丈夫、心配しないでコウシロウ、プログラムを設定し直しているだけですから」
ヴォイジャーはそう告げると、本体とセットで付いていたケーブルを手に取る。
「クレイドルが無ければ直接繋げばいいね」
そう言いながら、彼女はパソコン本体と自分をケーブルで繋いだ。
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