廻り始めた運命という名の歯車(前編)

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すると、ディスプレイ上の文字列が自動的にスクロールし始めた。 光志郎と美波は、その光景を覗き込んで同時にヴォイジャーへ疑問符を飛ばす。 「何してるの?」 それは当然の言葉である。お決まりと言ってもいい。 しかしヴォイジャーから見れば“予想外”であったが。 「説明すると長くなります。明日戦闘を行える為のプログラムの一部書き換え、そう思って下さい」 彼女は 自信に満ちた目で 自分のオーナーを見上げた。 ‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ 『無法少女』の主題歌で光志郎は目を覚ました。 彼は、枕元でその曲を奏でている張本人である自分の携帯電話を手に取ると、通話ボタンを押す。 《遅刻だぞ光志郎!一体何コールしたと思っている!!てか今何時だ!!!》 聞き手の意識がぶっ飛びそうな程のアキラの怒鳴り声に、光志郎は逆にあやふやだった意識も完全に覚醒した。 時計を見ると、約束した時間から三十分も経っている。 「悪い、アキラ!今からすぐに行くから!」 まだ何か言ってきているが構わず通話終了ボタンを押し、光志郎はヴォイジャーを探すように見渡した。
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