廻り始めた運命という名の歯車(前編)

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彼女はパソコンにうなだれるようにして眠っていた。どうやら一晩中何かの作業を行っていたらしい。 「起きろヴォイジャー、遅刻だ!」 準備を済ませた光志郎はそう言うと同時、彼女と彼女の武器“ハルバード”を掴み、リュックに押し込むとそのまま家を飛び出した。 「………マスター」 リュックからヴォイジャーが ひょこっ と顔を出す。 「ハァ…ハァ…や、やあヴォイジャー…ハァ…起きた…のか…ハァ…」 全力疾走中である光志郎は、息を切らしながらも彼女の声に反応する。 間もなく、腕組みをして仁王立ちしているアキラの姿が視界に入った。
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