廻り始めた運命という名の歯車(後編)

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「いらっしゃいませ。何名様でしょうか」 「二名です」 「当施設のご利用は初めてでいらっしゃいますね、では簡単にご案内を」 「いや結構。事前にちゃんと調べて来てますから」 その様なやりとりがアキラと受付嬢の間で交わされた。受付嬢が軽く一礼する。 「失礼致しました。ではコースは『チュートラアル』でよろしいですね?」 「いや、『バトル』だ」 そんなアキラの言葉に、彼女は怪訝な顔をした。 「あの…本当によろしいのでしょうか」 「大丈夫です」 「…かしこましました。それではこちらにオーナーとパートナーそれぞれのお名前をお書き下さい。尚、バトルは1対1形式となります」 そう言って受付嬢は受付用紙を差し出した。 「…おいアキラ、いきなりバトルだなんて…本当に大丈夫なのか?」 名前を書きながら、光志郎はボソッとアキラに呟く。 「大丈夫だ、心配するな。その為に昨日の晩色々と準備をしたのだよ」 アキラはニヤリと笑みを浮かべた。 「それではマッチングを行います。貴方方はそれぞれ別のオーナーと対戦する事になりますので、対戦相手が見つかり次第お呼び致します。こちらの整理札をお持ち下さいませ。ではごゆっくりと」
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