廻り始めた運命という名の歯車(後編)

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「チッ…今に後悔させてやる…!」 二人はステージ上段のオーナースペースへと立った。 そしてパートナーを降下リフトに乗せる。このリフトで神姫を戦闘エリアへと移動させるのである。 ステージ中央と会場中央に中継用スクリーンが設けられ、オーナーと観戦者はこれで戦闘状況を知る事が出来る。 開戦直前、アキラは降下リフトの上でやや緊張気味のフェンリルに囁いた。 「相手はヴァッフェバニーだ。ヤツも赤外線バイザーを所持している。作戦変更、“あれ”を使え。 いいか、三十秒が勝負だ。それを過ぎるとまず勝ち目は無い。…いけるな?」 「了解。あたしを誰だと思って?」 フェンリルが力一杯微笑む。 「それでは始めましょう!グッドラック!」 篠原の高らかな掛け声を合図に、少女たちを乗せたリフトはゆっくりと降下していった。
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