廻り始めた運命という名の歯車(後編)

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「いいかヴァッフェ、遊んでやってもいいが今回はヤツへの見せしめだ。初弾で終わらせろ」 メイヤーは「確実にだ」と言葉を付け足す。スクリーン同様、ステージに取り付けられたスピーカーから彼女の声が返ってきた。 《わーってるよ!》 「さぁどっからでもかかってきな!蜂の巣にしてやるわ!」 戦闘エリアに到着するや彼女は、武装バリエーション豊富なヴァッフェバニーの最強武器である軽量タイプのガトリングユニットを構える。 間合いに入られる前にこの広域射程のガトリングでケリをつける、ヴァッフェはそう考えていた。 「さぁ、両者位置に着いたようなのでぇぇ!バトルファイトォォォ!!!」 篠原が勢いよく開戦の合図を出す。 と、それと同時にフェンリルは左手に装備した彼女唯一の射撃武器、“吠菜一式”の名を持つ大型砲を構え、そして トリガーを引いた。 ドォン と開戦早々、轟音が轟く。 「避けろっ!」 《言われなくったってぇ!》 早すぎる! それはアキラ以外、モニターを観ていた全員(ヴァッフェを含め)が思った事だ。
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