廻り始めた運命という名の歯車(後編)

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‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ 煙幕の中に照明弾が炸裂した様子は、スクリーンで観戦していた者から見れば幻想的ですらある。 その状況を、光志郎では無いもう一人の神姫オーナー(恐らく彼の対戦相手である)が自分のパートナーと冷静に分析している。 「へぇーなかなかやるやないのあの子、それにあのマスターも」 「ええ、そうですね」 性別は女、ショートに揃えた栗色の髪、背丈は光志郎とほぼ同じ。そして歳は彼と同じか少し下くらいなのであろう。 その肩に立っている神姫、彼女のパートナーは、燃えるようなピンク色の髪をリボンでテール状に束ね、身体には騎士甲冑を纏(まと)い、そして腰には剣を差している事からおおよそ剣士と推測出来る。 ‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡ 「こんの………ヤロォォォ!!!!!」 視力を奪われたヴァッフェは絶叫に近い叫び声を上げながら、がむしゃらに手に持ったガトリング砲のトリガーを引き、更に追加武装である8連装ショルダーミサイルを全弾発射させた。 驚異的な射程範囲であるそれらの組み合わせは、まともに受ければ普通なら木っ端微塵になっていてもおかしくは無い。
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