‡第一部‡ 出逢い

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したのだが、美波によって遮られる。 「いえ、人の面倒を見るのって結構好きなんですよ、私。 それに…光志郎兄さんって独りになると何だか餓死しそうですから」 ドア越しで、くすり、と笑う声が聞こえた。 うん、美波の将来は確定したな。てか何気に痛いところを突いてくるよなぁ… 「では、また夕方来ますから」 「うん、行ってらっしゃい。車に気をつけて」 階段を、パタパタと降りていく音が聞こえる。 「さて、と」 完全に二度寝のタイミングを逃した光志郎は、起きる準備をし始める。 それにしてもあの夢… 最近見なくなったと思っていたがまた…それもいつもより鮮明に。 彼は毎晩同じ夢を見ていた。母と少女が出てくる夢。 あれは丁度、母さんが仕事でこの家を出てから見だしたんだよな。 彼は夢に出てくる黄金(こがね)色の髪の少女の事が(初恋の女の子程では無いが)気になっていた。 いつの間にかこの夢を見ることに慣れてしまってたけど…あの子に話かけようとするといつも夢が… と、そこまで考えていた時、枕元に置いていた光志郎の携帯電話が、着信を知らせる電子音を奏でた。ちなみに曲は、今彼が夢中になっているアニメ『無法少女』のものである。
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