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《そうだった、聞いてくれ光志郎。この町でも漸く新型の神姫が手には入るらしいのだ》
神姫?そういえば聞いた事がある。
今世界を騒がしている“心を持った”フィギュアだ。
何でもその昔、国が来る第三次世界大戦に備えて「軍事用戦術チップ」とやらを開発していたらしいのだが、それを市営の企業が買い取って玩具に搭載した、
という如何にも胡散臭い話を聞いた事がある。
《騎士型などなかなか俺好みなやつもラインナップされていてだな、これを機に手を出してみようと思うのだが…どうだ光志郎、お前も付き合わんか?》
「冗談じゃない、一口に玩具と言ってもかなり値が張るものなんだろう?」
そんなものを買う以前に明日の生活の心配をしなくてはならない。それが一人暮らしというものだ。
《確かにちと高額だが…しかしそれ相応の価値はあるんだがな。言っとくがあれは確実に嵌(はま)るぞ?まぁ気が変わったら買ってみればいい。
ところで…そう言えば今日はお前の》
とそこで、一階から
ガシャン
というガラスが砕けるような音がした。
《…今の音は?お前の家か?》
「そうみたいだ。
…ったく、多分そこのグラウンドで練習してるサッカー部か野球部だろ。
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