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ちょっと見てくる」
《ああ、お前も大変だな…
とりあえず買いもん済ませたらそっちに行くぞ》
ピッ
と通話終了ボタンを押す。
やれやれ、朝っぱらから騒がしいこって。
そう思いながら、光志郎はため息をついた後、階段を降りて現場へと向かった。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
現場であるリビングは悲惨な事になっていた。
ベランダに通じる窓ガラスが一枚丸々四散しており、窓際一帯が破片の海と化している(いや、そこまでの量ではないのだが、少なくとも水たまり程にはなっている)。
「酷いなこりゃ……
でもまぁこっちのテレビが殺られてなかっただけマシか」
美波が消し忘れて行ったテレビの画面を眺めながら光志郎は呟いた。
早速掃除を始めた光志郎だったが、ふと、不可解な事に気付いた。
…これだけの面積を割れる程の物体が、何でまだ見つからないんだ…?
その疑問は、次の瞬間には彼が予想すらしなかった答えとなって返ってきた。
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