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「わぁ~!星が綺麗!!」
「…ガキみたいにはしゃいで屋根から落ちんなよ?」
「落ちないよ!!」
空を近くで見たかった私は屋根に上り、満面なく広がっている星を見て子供みたいにハシャギ声をあげ、銀時は私の横に寝転ぶ。
銀時の言葉にムスーッと頬を膨らますと、そう言う所がガキなんだよ。とからかわれる。
「う、うるさいなぁ!確かに私はまだ子供だけど、銀時だって変わらないじゃん!」
「俺の方が2つ歳上だもんね~♪」
「うっわ!今の嫌みったらしい言い方ムカつくわぁ!」
「まーまー。そんな口悪かったら彼氏できねぇぞ?」
「…余計なお世話だ糞天パ!」
プイッ、と銀時から顔を背けるとククッ、と楽しそうに喉を鳴らす音が聞こえた。
「………」
「………」
それから暫く私達の間に沈黙が流れたが、その間が苦に感じる事はなかった。
それどころか、沈黙の間が心地良く感じた。
「…こーやってさ」
「あ?」
「こーやって手を伸ばしたら星に届きそうなのに届かないんだよね…」
「…当たり前だろ。何だよ急に…」
「いや、単に思っただけだよ」
「…んだ、それ」
フッと思い浮かんだ事を口にすれば、銀時は少し呆れたような返事をしたが、口元が緩んでいたのが見えた。
グッ、と空に向かって腕を伸ばすと、先程銀時に巻かれた包帯が目に入る。
「……傷、残ったら嫌だなぁ…」
「はっ?」
「あ、いや…この傷残ったらお嫁に行けないなァ~っと思ってさ。」
アハハ、と苦笑いを浮かべていると、銀時は包帯が巻かれた腕に視線を落としているのに気付き、銀時?と呼び掛けるが返事がなく。
暫くして、銀時は再び空へと目を向ける。
何だったんだろう?
と首を傾げる私には構わずに、ただ星を眺める銀時。
…銀時はたまに何を考えてるのかがわからなくなる。
その時は黙って流すのが一番利口だ。
私は大きく伸びをすると、足を伸ばし楽な体勢で星を眺める。
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