青年期

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この歳になると一人の部屋がほしくなった。 でも、家には空いてる部屋がない。 でも、唯一あったのが居間の横。引き戸一枚で壁がない。 でも、そこにオトンのOKをもらい物を運んだ。 14型のTVを買ってもらい、こたつと布団を置いた。 自分の空間 家族とのチャンネル争いもなくTVを見ることができる。 この優越感。 すぐ後ろから家族の話し声が聞こえるけど、自分の空間が嬉しかった。 オカンは病院に通院していた。入院になることはなかった。 でも、段々とオカンの症状は悪い方へと進行していた。 一人でオカンが泣いている。何故か風呂場だった。 姉が聞いた。 「オカンどうしたの?なんで泣いてるの?」 オカンは答えない。 僕も聞いた。 「どうしたの?なんで泣いてるの?」 やっぱりオカンは答えなかった。 姉と僕はどうすることも出来なかった。ただ、ほっとく事しか出来なかった。 あと、ひとつ昔と変わった症状は一人事だった 何かを喋っている。でも、何を喋っているか分からない。 確かなのは、この頃からオカンに対する僕の見方は変わった…
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