9人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、大事な話って？」
「ふふ、実はお母さんね、結婚しようと思ってる人がいるの。」
「！？」
いきなりな話に私は相当驚いている。
だって父が亡くなってから１０年間、母はずっと働き詰めで、今まで彼氏や恋人をつくったという話を聞いた事がなかった。
「えっ！？誰？どんな人？てか急じゃない？私そんな話聞いてないよ。」
「斉藤拓実(ｻｲﾄｳﾀｸﾐ)って人なの。もうすぐ来ると思うんだけど・・・」
もうすぐ来るって、私、心構えがまだ出来てないよっ。
しかも、名前だけじゃどんな人か分かんないじゃん・・・。
「ねえ・・・」
急にお母さんの声が小さくなった。
「ん？」
「その・・・、咲羅(ｻｸﾗ)は良いの？お父さんの事とか・・・。
お母さん、別にね、お父さんの事を忘れた訳でも嫌いになった訳でもないの・・・、今でも結婚出来て良かったと思ってる。それだけは分かってほしくて。
今回の話も咲蘭が嫌なら諦めるつもりなの。お母さんにとっては咲蘭が１番だから。」
最初のコメントを投稿しよう！