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「・・・」
私にとってお父さんは死んでもお父さんで
今でも好きだし忘れてもない。
もう1人お父さんができるというのは何だか複雑な気持ちだけど、それよりも、お母さんが幸せならその方が良い。
お母さんは今までの10年間、私と仕事の事で精一杯で、自分の事は後回しにして来たような気がする。
そんなお母さんが恋をしたというなら、私にとってこんなに嬉しい事はない。
「良いよ。お母さんが決めた人だもん。良い人見つかって良かったじゃん。」
私がそう言うと、お母さんは安心したように嬉しそうに微笑んだ。
その表情を見る限り、お母さんは本当に幸せそうだ。
「でも・・・それがね、ちょっと言いにくいんだけど・・・」
「?」と思っていると、お母さんは何かを視線で捕らえた。
そしてその視線に向かって呼び掛けた。
「あ!こっちこっち!」
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