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『おいらんっ!!』
『藤原様!!お会いしとうございました…。』
『あの日からおまえの監視がきつなっとったのか。
月の出た日も、ずっと待っとったが、なかなか来んから心配したわ。』
『申し訳ありやせん。何度ここを抜け出して、あなた様の所へ行こうとした事か………。』
それから二人は、人目の無いこの場所で、心から愛し合った…。そして-…
『おいらん。わしと夫婦になってくれんか?』
『!!藤原様…何を?』
『身分も何もかも捨てて、おまえと生きていきたい。』
『………こんなに嬉しいお言葉もらったのは初めてや。』
『じゃあっ!!』
『でも、それはいけまへん。あっちは遊女…あなた様と結ばれる事など許されへん。』
『身分など捨てたる!!おまえのためなら、そんなもの-…』
『藤原様っ!!あっちは……重くなるのはごめんや。
………あなたとの関係はこれっきり。もう二度とあっちの所へは来んで下さい。』
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