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左手に地図を持ちながら凛はまっすぐ知り合いの宿に向かっていた。だが慣れない街、見知らぬ街だ。立ち止まる事は少なく無い。
辺りは段々暗くなっていく。凛は少し焦りを感じていた。
この街は特別治安が悪いとは聞いた事は無い。しかし凛は一人旅だ。見知らぬ街の夜は流石に怖かった。
(少し急いだ方が良いかな?。)
そう思い足を速めようとした
…次の瞬間。
「いて!」
凛は尻餅をついていた。
頭が混乱する。
(何が起きたの?。)
慌てて周りを見渡そうとする。倒れたショックか、うまく視界のピントが合わない。 だが、自分の前に人影がある事には気付いた。
(そっか、私この人にぶつかっちゃったのか…。)
ぶつかったらしい相手は立ったままだ。体格からすると男性なのだろう。
凛は段々落ち着いてきていた。次に考えたのは…。
(謝らないと!。)
そう思い、慌てて立とうとした時。
「大丈夫か?お嬢ちゃん。」
そう言いながら男は手を差し出していた。
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