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次の日ーー
「こんにちは。」
マリアは広い屋敷の中に案内された。
「あの子供だよ。わたしたちには手がつけられん。大丈夫かね?」
「はい。おまかせください。」
「わたしたちはでかけるよ。ギルを頼む。」
子供の名前はギルというらしい。
ひとりで自室の椅子に座り窓を眺めていた。
「ギルくん こんにちは。家政婦のマリアよ。」
ギルはぎろっとこっちを睨んだ。
「言葉づかいが悪いな。」
「…え?」
「ご主人様でしょ。僕は君のご主人様だ。」
「(正確に言うとご主人様はあのおじさんなんだけどな。)」
「わかった?『マリア』。」
「言ってくれるわね。あなたのほうこそ言葉づかいがなってないわ。」
「僕にたてつくの?」
「たてつくも何もわたしのご主人様はあなたの両親ですもの。」
「あの人たちは親じゃないよ。」
「え?」
「パパとママはいないんだ。あれはおじさんとおばさん。」
「…そうなの。」
「うん。」
「だからそんなに生意気なんだ。」
「…ご主人様だよ。僕はマリアのご主人様だ。」
ちょっと寂しがり屋だったりする。
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