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女はスタスタと階段を上がり私の部屋をうろうろと探している。
「201号室」
私は自分の部屋を女に教える。
「うわっ汚い部屋ね、足の踏み場もないじゃない」
私が部屋の鍵を開けると女は図々しくも先に部屋に入る。
「いちいちうるさいなー黙って座ってよ」
私はさっそくキッチンに立つ。
実は私、片付けられない女なのである。
そして料理も作れない。
ダメダメ女。
「これでいっか…」
私はレトルトのカレーをチンして今朝の残りのご飯にかける。
ドン。
「はい、どうぞ」
私はふてくされた表情でカレーライスをテーブルに置いた。
「レトルト?」
「文句言わない」
かなり文句のある顔をしていたが私は無視。
女はあっという間にカレーライスをたいらげた。
「お腹空いてたの?」
私は茶化して言う。
「かなりね。お腹空きすぎてあそこで倒れちゃったの」
「プッ」
私は吹き出して笑った。
「何よ」
「今の時代お腹減りすぎて倒れたなんてありえないなーって100円あったらハンバーガーだって食べられるのに」
私は再び爆笑。
こんなに笑ったの久々。
「そんなに笑うことないでしょ?一緒に住んでた男が浮気してて何も持たずに飛び出してきちゃったんだから」
「うわっ悲惨ッッ」
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