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同時刻、薬品のにおいが漂う薄暗いある部屋で、医療の道具だろうかを整理している奇妙な左耳を持った青年がふと顔を上げる。
奇妙な左耳とは、まるで魚人を思わせるような先がとがった大きな耳だ、・・・淡い若草色の髪からそれは覗いていた・・・。
青年は、真っ黒な長いジャケットを羽織っている髪の毛と青白い肌だけが薄暗い部屋に浮き上がるそれ以外は殆ど闇に溶けていた。
その青年もつぶやいた・・・
「そろった・・・。」
部屋を飛び出そうと思った瞬間ドアが激しくノックされる、
「おい!ジェンユー!ジェンユー!」ジェンユーと呼ばれた青年がドアを開ける。
そこには、薄い金髪の一箇所に赤いメッシュが入った青年が荒い息を立てて立っていた。
薄い金髪の青年は、裾が長いノースリーブと七部のズボン、そのズボンからはブーツが覗いていた。
「グリムお前にもわかったのか?」奇妙な耳を持つ青年ジェンユーが話しかける。
「ああ、なんか変な感じだったけどピンと来た。」この青年は、グリムと呼ばれた。
彼もまた奇妙な体の一部がある・・・・。
右手にまるでカバーでもしているようかに見える、しかもチャックがついているのもまた驚きだ。
しかしそれは彼の服ではなく腕らしい・・・・・。
「とりあえずあの人のとこに行こう、ジェン!」グリムが話しかける。
「ああ。」短い返事と共にジェンユーは、駆け出した。
その二人の足音は部屋からどんどん遠くなっていった・・・・。![image=79142111.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/79142111.jpg?width=800&format=jpg)
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