1人が本棚に入れています
本棚に追加
部屋に入ると何段か上に丸い卵のような椅子であろうか、それは二人に背を向けていた。
「やぁ、よく来たな。お前らもやはりわかったか?」卵がクルリと向きを変える。誰か座っている、しかし暗くて顔はよく見えない。
「はい、感じ取れました。やはりコレは、最後のものがそろったのですか?」跪いたジェンユーが、問いかけた。
同じくグリムも跪いている。
「どうやらそうらしいね。最後の一人が選ばれたんだよ。」グリムがあの人といった人が答えた。
「どうしようか?きっとゼノンたちも動き始めるだろうね。」あの人が言った。
「はい、必ず動き始めるでしょう。その前にどういたしますか?」ジェンユーが問いかける。
「集められるものは、なるべくそろえておかなくちゃね。」あの人のかろうじて見える唇が薄く笑う。
「まぁ、他の奴らへの連絡は任せたジェンユー。」あの人が言った。
「今からある人と話さなければならないから、少し出るよ。」また、卵がジェンユーたちに背を向ける。
「下がっていいよ。また、後で詳しく話そう。」
「わかりました。」ジェンユーとグリムは、返事をして立ち上がり踵を返し部屋から出て行く。
「誰と話すんだろうな?ジェン。」先ほどは、一言も喋っていないグリムが問う。
「わからないのか?まったく・・・・。自分で考えろ。」すたすたと来た通路をジェンユーは帰る。
「おっおい!待てよ!こら!ジェン!!」ジェンユーを追ってグリムは駆け出す。
「まだ、仕事が山ほど残ってるんだ。ついてくるな。」ジェンユーが振り向きもせず言い放つ。
「お前さ、たまには休めば?いつか倒れるぞ?」グリムが心配そうに問いかける。
「今やれることは、片付けておかなければいけないんだ。」健康とは言えないような青白い顔でジェンユーは、答える。
「でもよー。イザと言う時に倒れられちゃ困るn(バタン)ドアが閉められジェンユーは、中に入っていってしまった。
「おい!ジェン!こらー。まったく、これだから(ぼそぼそ)」グリムはつぶやきながら暗い通路に消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!