全てが揃う時

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 部屋に入ると何段か上に丸い卵のような椅子であろうか、それは二人に背を向けていた。 「やぁ、よく来たな。お前らもやはりわかったか?」卵がクルリと向きを変える。誰か座っている、しかし暗くて顔はよく見えない。 「はい、感じ取れました。やはりコレは、最後のものがそろったのですか?」跪いたジェンユーが、問いかけた。 同じくグリムも跪いている。 「どうやらそうらしいね。最後の一人が選ばれたんだよ。」グリムがあの人といった人が答えた。 「どうしようか?きっとゼノンたちも動き始めるだろうね。」あの人が言った。 「はい、必ず動き始めるでしょう。その前にどういたしますか?」ジェンユーが問いかける。 「集められるものは、なるべくそろえておかなくちゃね。」あの人のかろうじて見える唇が薄く笑う。 「まぁ、他の奴らへの連絡は任せたジェンユー。」あの人が言った。 「今からある人と話さなければならないから、少し出るよ。」また、卵がジェンユーたちに背を向ける。 「下がっていいよ。また、後で詳しく話そう。」 「わかりました。」ジェンユーとグリムは、返事をして立ち上がり踵を返し部屋から出て行く。 「誰と話すんだろうな?ジェン。」先ほどは、一言も喋っていないグリムが問う。 「わからないのか?まったく・・・・。自分で考えろ。」すたすたと来た通路をジェンユーは帰る。 「おっおい!待てよ!こら!ジェン!!」ジェンユーを追ってグリムは駆け出す。 「まだ、仕事が山ほど残ってるんだ。ついてくるな。」ジェンユーが振り向きもせず言い放つ。 「お前さ、たまには休めば?いつか倒れるぞ?」グリムが心配そうに問いかける。 「今やれることは、片付けておかなければいけないんだ。」健康とは言えないような青白い顔でジェンユーは、答える。 「でもよー。イザと言う時に倒れられちゃ困るn(バタン)ドアが閉められジェンユーは、中に入っていってしまった。 「おい!ジェン!こらー。まったく、これだから(ぼそぼそ)」グリムはつぶやきながら暗い通路に消えていった。image=80215904.jpg
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