1人が本棚に入れています
本棚に追加
まだ、怪しげな赤い月が輝いていた・・・・。
見晴らしのいい高い建物の上にゼノンは、立っていた。
ゼノンは後ろから気配を感じ取り振り向いた。
あの人と呼ばれていたであろう奴が立っていた。
「ココにいたか。考えることは同じだな。」ゼノンに語りかける。
「あなたもココに来るような気がしてね。タルキス」ゼノンは、前を向いて言った。
「おい!ついに全てがそろったぞ!」あの人と呼ばれていた奴の名は、タルキスというらしい。
かなりキツイ目をしている、髪の毛は微妙なことに四分の一は、短く刈り上げてある。
四分の三は、茶髪で長いそれを一箇所で結んでいた。
服は、赤・白・黒メインで配色されていた。
長い裾のジャケットの腰をベルトで縛り、細めのズボンを長いブーツの中に入れていた。
「お前たちもこれから、色々集め始めるんだろう?」タルキスが薄く笑いながら問う。
「も”ということは、君たちもそうなんだね。」ゼノンが答える。
「あっちの方はどう出るかわからないけどな。」タルキスが言った。
「君の考えは間違ってる。」ゼノンが言う。
「藪から棒だな。お前らこそ間違ってるんだよ。」タルキスが鼻で笑うかのように言い捨てる。
「これからは、今までのように生ぬるくするつもりは無いぜ。」タルキスが言った。
「・・・・・。」ゼノンは何も言わなかった。
「きっと今から数年後いっきに話は、終演を迎える。役者がそろうそのときにな・・・・。」タルキスが、ゼノンの横に並ぶ。
「今俺のとこが三つ、お前のとこは一つ、あちらさんが二つだ。」タルキスが指を動かしながらいった。
「どこが一番多く優秀な駒を集めるかがキーポイントだな。」ゼノンは、何も喋らない。
「魔王なんて復活させちゃいけない・・・・。」ゼノンが口を開いて静かにつぶやく。
「こんな寂れた世界イラねーよ。」タルキスは言った。
「次会うときは、話すだけじゃすまないからな・・・覚悟しとけよ。」タルキスが、踵を返し来た道を戻る。
《わかりあえることは、無いのかもしれないね。》ゼノンは、タルキスの後ろ姿を見つめそう思った。
そして二年の月日が流れた・・・・・・・。
最初のコメントを投稿しよう!