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「ただいまー」
声と共に親父が居間の扉を開けた。
「親父!今日は早いな」
俺が驚いて言うと、親父はいい年してニカッと笑う。
「ちなみに今日は母さんと一緒に帰ってきたんだぞ~」
親父がそういうと、少し遅れて百合さんが「ただいま~」と言って入ってきた。
「おかえり~!ねぇ聞いてー!俺彼女できたんだぁーっ!」
虹時がはしゃぎながら言うと親父は、
「そうか、今度家に連れて来いよ~。可愛いのか?」
と言いながらネクタイを緩める。
「当たり前だよ、俺の彼女だもん」
虹時はエヘンと胸を張る。
「あら、じゃあお祝いしなきゃかしら?」
二人分の夕食の準備を始めながら嬉しそうに言う百合さん。
虹時は図々しく「そうだね!」とか、「今度なんかケーキとか買ってね!」等と言い始める。
ついには明楽に話していたことをまた喋り始めた。
親父も百合さんも、仕事で疲れてるはずなのに嬉しそうに虹時の話に耳を傾けている。
この家はこんなに賑やかになるんだ。
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