◆家族◆

3/5
前へ
/50ページ
次へ
「ただいまー」 声と共に親父が居間の扉を開けた。 「親父!今日は早いな」 俺が驚いて言うと、親父はいい年してニカッと笑う。 「ちなみに今日は母さんと一緒に帰ってきたんだぞ~」 親父がそういうと、少し遅れて百合さんが「ただいま~」と言って入ってきた。 「おかえり~!ねぇ聞いてー!俺彼女できたんだぁーっ!」 虹時がはしゃぎながら言うと親父は、 「そうか、今度家に連れて来いよ~。可愛いのか?」 と言いながらネクタイを緩める。 「当たり前だよ、俺の彼女だもん」 虹時はエヘンと胸を張る。 「あら、じゃあお祝いしなきゃかしら?」 二人分の夕食の準備を始めながら嬉しそうに言う百合さん。 虹時は図々しく「そうだね!」とか、「今度なんかケーキとか買ってね!」等と言い始める。 ついには明楽に話していたことをまた喋り始めた。 親父も百合さんも、仕事で疲れてるはずなのに嬉しそうに虹時の話に耳を傾けている。 この家はこんなに賑やかになるんだ。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加