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バイクを10分程走らせて大学に着いた。
私立日之本大学。
俺は経済学科に所属している。
将来は…テキトーにサラリーマンとか?
俺っていい加減だなぁ。
「サーンキュ。じゃ、あたし行くわ、バーイバーイ」
明楽は後ろも見ずにひらひらと手を振って行ってしまった。
マジで感謝してんのか!?
そう…不運なことに明楽は俺と同じ大学。
しかも経済学科。
唯一の救いはあいつは国際コースだってことだ。
なんであれだけ多くの大学の中から、二人とも同じ大学を選んだのか…未だに謎というか…別に相談なんてこれっぽっちもしないでお互い決めたから、始業式はびっくり仰天!
あんとき俺、明楽に『真似すんな』って言われたっけ…。
「はぁ」
自然とため息が漏れる。
思えば明楽と出会ってまだ2年。
2年でこれだけ親しく…というか俺が一方的にパシリにされてしまったのかと思うと、なんだか情けなくなってきた。
考え方を変えれば、まるでずっとそうしてきた兄弟みたいに、明楽と俺との…俺たちとの距離は近いんだってことだ。
「…っと、ヤベ!遅れる!」
俺は走り出した。
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