◆明楽◆

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バイクを10分程走らせて大学に着いた。 私立日之本大学。 俺は経済学科に所属している。 将来は…テキトーにサラリーマンとか? 俺っていい加減だなぁ。 「サーンキュ。じゃ、あたし行くわ、バーイバーイ」 明楽は後ろも見ずにひらひらと手を振って行ってしまった。 マジで感謝してんのか!? そう…不運なことに明楽は俺と同じ大学。 しかも経済学科。 唯一の救いはあいつは国際コースだってことだ。 なんであれだけ多くの大学の中から、二人とも同じ大学を選んだのか…未だに謎というか…別に相談なんてこれっぽっちもしないでお互い決めたから、始業式はびっくり仰天! あんとき俺、明楽に『真似すんな』って言われたっけ…。 「はぁ」 自然とため息が漏れる。 思えば明楽と出会ってまだ2年。 2年でこれだけ親しく…というか俺が一方的にパシリにされてしまったのかと思うと、なんだか情けなくなってきた。 考え方を変えれば、まるでずっとそうしてきた兄弟みたいに、明楽と俺との…俺たちとの距離は近いんだってことだ。 「…っと、ヤベ!遅れる!」 俺は走り出した。
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