◆明楽◆

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「やっぱ無理かなぁ…。崎本さん競争率高いから…」 風間のその言葉に、俺は飲んでいた水を吹き出しそうになった。 「けほっ!…はぁ!?そうなの?」 「え?うん。崎本さん狙っている人、少なくとも5人はいるし」 ええぇ!?そんな物好きが5人!? 俺だって物好きでいいからモテたいのに! そんな事を考えていると、不意に携帯が震えだした。 明楽からだ…。 タイミング悪ぃなおい。 ―――――――― 今日バイクで送れ。 5時にバイクの所で待ってる。来なかったら壊す。 ―――――――― 「…」 何を壊すとは書いてないが、バイクのことか。 物騒な奴だな。 「笹岡…ホントに大丈夫?」 「あ、あぁ!そんで、結局おまえどうしたいの?」 どうしたいも何もやめとけって! 「どうって…まだメアドも知らないし、向こうは俺の事なんて知らないだろうから…」 おやおや。 「なんだよ、じゃあなんもできないじゃん」 その調子で諦めろ! 「うう…。だからさぁ、協力してくんねぇ!?マジで頼むよ~」 「え?ちょっと…」 泣き付かれてもなぁ…。 どうすんのよ俺。
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