ナツノヨル ゲッコウノシタ …ヒラヒラト

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
  真夏ノ夜 満月乃夜 咽返る程の湿気と 淫靡な声 君ヲ抱きながら 刃を大きく振りかざす 僕の瞳 蝶が映る 月光に反射して輝く 君ガ悪ィンダ 僕以外ノ花ト何度モ交ワッタダロウ 最後の口付け交わしたら刃を降ろし 刺す… 飛び散ル命を見つメながら僕ハ笑っていた 紅イ花餓咲遺タ(アカイハナガサイタ) (…サヨナラ) 気マグれな蝶よ ピンで 留めテ 標本にシテアゲル  美しい肢体は血ト月光のモノクロ 紅ワ永久ノ愛ノショウチョウ・…     真夏乃夜 三日月ノ夜 淀んだ空気の中僕らは 蜜ヲ絡ませ 精液でヨゴレ 紅い愛ヲ貪っていた 肉の腐臭ガ感覚を麻痺さセていく… 君の首を噛ミ千切るとドロリ血が流れる 旨そウだ 舌二絡マセ喉二通シタ (…サヨナラ) 僕ダけの蝶ヨ ずッと 時ヲ止めて 二人融けテ逝こウ  月光に反射シた液は甘美な苦味 紅ハ錆ビタ鉄ノ味
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!