ひらり蝶

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  「あの高さはどれ程デショウ?」 綺麗な月夜 君は言っていた あの時と同じ景色の中で君は ひらりと落ちる 赤文字の手紙残して   僕は何を見逃し 君はどれだけ傷ついた? 息のないマネキンを抱えながら 終わらない後悔を続けた 体が飛び散り 君の面影が消える 離れて行かぬよう 僕は強く抱きしめたのに それでも君は逝ってしまった・・・   (さようなら) 白銀の光に包まれ 暗闇で散るの ひらり蝶 ひらひら 落ちてくる羽根が君の最後みたいで 胸が締め付けられた     君の最後の言葉は 何だったろう 思い出せない そう言えば最近会話も無かった 君の苦しみに気付けなかった 僕は君に何をしてあげればよかったのだろう 記憶をたどると 君との思い出ばかり蘇る そうだ最後の言葉は別れ際の・・・   「さよなら」   あの時 君は既にこうする事を決めていたの? ぽろぽろ 水面に落ちた雫の波紋が僕を揺らし また雫を落とさせた
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