そして君は歩き出す。

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「おい、カズマ! お前、今日吹島さんと登校したって!?」 教室に入った瞬間、悪友から言われた。 なんだってんだ、一体。 「くっそぉ、なんでお前なんかと…!」 嘆く悪友は本気で悔しそうだ。 「だから何だよ。 こっちはめんどくさいっての」 ドカッ。 言ったとたん殴られた。 「はあ?何すんだよ」 ゴスッ。 また殴られた。 「てめっ」 ボカッ。 三発目。 本当になんなんだよ。 「お前、あの吹島かおりだぞ!?」 悪友は随分熱くなっていた。 氷でも投げつけてやろうか…。 本気で思った。 「うらやましいなぁ…。 あの吹島かおりと登校かぁ…。」 今度は遠い目で何かを見ている。 ヤクでもやってんのか、コイツ。 悪友曰く、 「吹島かおりって言ったら、 この学校一番の美人だぞ? 知らねえのか?」 だそうだ。 「興味無い」 心から思った。 また殴られたけど。 いい加減ムカついたから、 思いっ切りスネを蹴り飛ばしてやった。
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